広報メディア学科トップページ > 教員・ゼミ紹介 > 末延吉正
岩田伊津樹 Iwata・Itsuki 教授
民主主義社会の基礎であるジャーナリズムはどうあるべきか。
 
グーテンベルクの活版印刷術発明から560年余、日刊新聞の創刊から360年、書籍と新聞は社会の基礎を形作るインフラとして出来事を伝え記録し続けて来ました。しかし、インターネットによるデジタル革命の進展により大きな転換期を迎えています。それは技術的な変化のみならず、人間そのものを変えつつあるといっても過言ではないでしょう。マス・メディアとしての新聞、出版の歴史を振り返りながら現在進行中のメディア革命がどう人間を変え社会を変えてゆくのか、その功罪を考えています。

プロフィール

学位: 商学士(日本近代史研究)
専門テーマ: 日本近代史、新聞と社会、環境問題、ナショナリズム
専門分野: 環境ジャーナリズム、マスコミ倫理、時事問題研究
最終学歴: 早稲田大学商学部卒業
研究キーワード: ジャーナリズム、時事問題、日本近代史
主な論文・著書:
「講義テキスト ジャーナリズム入門 ――基本ルールと考え方――」東海大学 2012年
「講義テキスト 環境ジャーナリズム入門」東海大学 2013年
「報告・変わるバークレー講座」調研クォータリー2006年秋季号、読売新聞社
「グーテンベルク紀行 新聞創世記を行く」読売クォータリー2009年秋号、読売新聞社
「スペインに太陽熱発電所を見に行く」読売クォータリー2012年冬号、読売新聞社

研究テーマについて

社会性

福島定点取材研究

2011年3月11日の東日本大震災と津波災害、そして原発事故と3重災害に見舞われた福島県。事故を起こした福島第1原発から約60キロの土地で果樹栽培を営む農家を定点とし、災害や風評被害から立ち上がろうとする人たちの生活ぶりの取材を通し、地域のみならずこの国の政治、社会の問題点を考えます。
2012年度にスタートした定点取材も5年目に入りました。現地を訪れる学生の取材者は、年々入れ替わって行きますが、当然のことながら定点農家の皆さんの生活は連綿と続いて行きます。そこからは、日本の農業を取り巻く問題はもちろん、我々都会に生活する者が様々な点で依存しながら知ろうともしていなかった地方の問題も考えさせられます。

メディア革新による社会変化

グーテンベルクの活版印刷術以降の社会変革の歴史をたどり、さらに現代のメディア変革の行方を考えています。メディアの技術革新は、社会を変えてゆきます。それは社会を構成している人間をかえてゆくためだということは言うまでもありません。

太平洋戦争期の日米の報道比較

戦争一色に染め上げられた日本に対し、アメリカの新聞、雑誌メディアを見ると余裕しゃくしゃくの市民生活ぶりに驚かされます。その背後にある社会制度の違いと、その報道格差がもたらした国民への心理的な動員力の違いを考えます。
研究の特異性
@豊作だったり干ばつによる不作だったり、農業は天候や自然の条件に左右されます。原発事故による風評被害は、まだまだ根強く続いているといいますが、一方で娘さんに孫が生まれるといった明るい話題もありました。淡々とした実直な生活ぶりを見ていると、日本の食は、こうした真面目な地方の人たちによって支えられているのだということを実感します。学生には、定点取材を通して日本社会への問題意識を涵養できればと思います。

Aこれまで取材してきたグーテンベルク後の歴史変革の現場での考察を重視して考えます。

Bかつて米国滞在中に大量コピーした太平洋戦争期の米国内の新聞各紙の紙面と主要雑誌の誌面を比較研究します。
研究の楽しさ

歩きながら考える。

取材者は、走りながら考えます。現場に行ってみて、現地の人たちの話を聞き、状況を肌で感じ、伝えるべきニュースは何か、公共性とは公益性とは何かを考えます。取材活動は、現場と書斎を行き来する仕事です。状況を覆っていたベールを頭と体を使いながら一枚一枚剥がしてゆくような地道な作業を通して問題の全体像が見えてくる時の醍醐味は体験した者でないと分かりません。その後の文章や映像にまとめ上げて行く作業は労働ですが、そこにも新しいものを創造してゆく充実感があります。スマホやパソコンの小さな画面から飛び出して未知の世界に踏み入れてほしいと思います。現実の世界はいつも驚きに満ちています。

ゼミ・教育について

ゼミの教育姿勢

問題意識を持ち、新聞・本を読み、現場に行き、主体的に考える。

事件記者として警察取材からスタートして様々な国際事件や海外の災害現場、そして北極点やアフリカのサバンナ、国連の条約交渉等の環境取材やルポ、9.11のニューヨークでのデスクワーク等――様々な現場を新聞記者として長年取材してきた経験を基に実践的な教育を目指します。

「面白いね」は、新聞社内では最高の褒め言葉です。しかし、ただ面白ければいいのではなく、社会のより多くの人たちにとってどうすればよいのか。どうすべきなのか。そこに不合理があるのなら制度的な問題はないのか。様々な問題を様々な角度から切り込んで行くにはどうしたらいいのかを考えて行きます。 謙虚に、冷静に、熱き心で議論します。

また、実践的ジャーナリズムの演習として福島定点取材や裁判所の傍聴、著名事件の現場確認や基礎資料収集法なども極力織り込むようにしています。
学生
主体性を尊重しています。言われたことをこなすだけではなくどうあるべきかを自分の頭で問題意識を持って考えられるようにしてゆきます。本や新聞を考えながら丹念に読んでもらいます。
卒業研究テーマ
目標は社会問題を自分の問題意識で取材することです。それが調査報道のスタートです。独りよがりにならない。それでいて外部の誰かにおもねらないように心掛け、自分でテーマを選び、取材してゆきます。
ゼミの魅力
現場に取材に行く。難しい問題でも現場を歩けば取材の面白みがわかってきます。その面白味を共有出来ればと思います。
その他一言
大学にいる間に、考える大人になれるように「頭のスイッチ」を切り替えよう。

入学をお考えの皆様に向けて

広報メディア学科には、教室での授業だけでなく、実際に社会に向けてメッセージを発信することで、社会的責任を担う力を磨く機会と、そのための設備・知識・技術・教授陣が揃っています。学生と教員が一緒になって学科を作る経験を通じて、現代に必要な「活きた教養」を身につけることができます。
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